がんの予防・治療について
私たちの体内では、日々細胞の生まれ変わり(新陳代謝)が起こっていて、その過程で遺伝子が間違ってコピーされることはあるのですが、間違ったものを排除する機能が十分に働いているので、大事には至りません。ところが多大なストレスなどで身体の機能が低下した時、胃炎や肝炎、腸炎など炎症が常に起こる状態が続いた時などに、緻密な監視機能をすり抜けた細胞が、がん化に向かってしまいます。慢性的に炎症が起こり続けることは、がんの成長や転移など、あらゆる場面でプラスに働くと言われています。
がんが検査で分かるようになるまでに10数年かかると言われていますが、最初の遺伝子変異から長い時間をかけて、がん細胞は自分の遺伝子を更に改良(改悪?)することで様々な能力を獲得したり、周りの細胞を味方につけて居心地のいい環境を整えることで、がんを発症させていきます。
敏感な方はこの段階から、疲れが取れない、だるい、眠れない、冷えを強く感じる、腹痛や下痢(消化器に異常がある方)などの症状を訴えられます。検査しても何も出ないので、医療機関を転々とされる方もいらっしゃいます。最近は発症前でも体内にある程度のがん細胞がいるかどうかを確認する遺伝子検査が確立されていますので、受けてみるという選択肢もあるかも知れません。当薬局では、検査でのがんの疑いの有無に関わらず、がんを予防するお薬が必要な方には、そちらをお渡しさせて頂きます。
がんの再発予防のために術後に放射線や抗がん剤が使用されますが、前がん状態にどうするかは検討中です(乳がんのリスクに対して乳房を全摘するという選択もあるかも知れませんが)。
がん細胞がまだ組織化していない状態であれば、漢方薬はかなり高い確率でがん化を阻止することができます。ストレスやがん細胞によって狂わされた体内の秩序を通常運転に戻したり、炎症が長引いている場所があれば鎮火させるという方法を取ります。
漢方薬では、身体を気・血・水の3種類に大雑把に分けて考えるのですが、自律神経系や免疫系は水に属します。アレルギーや自己免疫疾患では炎症のために熱を持った水を冷やして流すような生薬を使うのですが、がんでは水の代謝を促すなかでも冷やすものだったり、温めるものだったり、症状にあわせて生薬を使い分けます。慢性化した炎症に対しては、臓器に特有の熱を冷ます生薬を使います。
がん細胞が存在し始めた時点で、身体は無理が重なってボロボロになっていることが多いので、ある程度回復するまでは、大量のお薬をのんで頂いたり、治療期間が長びく可能性がありますが、確実にがんの体質をなくしていくので、お薦めします。
がんと診断された方は、玄米、もち米(おかき類も含む)、砂糖、大量の酢は控えて頂くようお願いしています。
がんの治療
がんを摘出する治療を勧められた場合、受けることをお薦めします。
取り除いた部分は、確実になくなるからです。
再発を起こしてしまう、目に見えないがん細胞やがんを起こしやすい体質に対しては、漢方薬はかなりお薦めです。
白血病など血液系のがんは漢方薬の反応がいいのですが、MRIではっきり見えるような固形のがんに対しての効果は、強力とは言えません。
車に例えるならば、がんを崖に向かってアクセル全開で突き進んでいる状態とするならば、車の排気量が病気の勢い、どれだけ早くブレーキを踏めるかがその方の漢方薬の効きやすさ、身体が受ける衝撃が漢方薬に対して身体が起こす反応、崖までの距離が残された時間というイメージかと思います。
ある程度以上進行すると、アクセル全開にサイドブレーキをかける程度の効果しか発揮できない場合が多いです。
さらに麻薬系の鎮痛剤やステロイドを使用すると、漢方薬の効果は極端に下がります。
たとえ根治に向かえなくても、がんによる苦痛や、抗がん剤や放射線治療から起こる、体力の低下、倦怠感、食欲不振、やる気が出ないなどの副作用を軽減することは期待できます。