漢方薬は、西洋医学とは違ったアプローチで癌を抑制する効果を発揮してくれるので、
病院での治療と併用することは、強くオススメしています。
(併用を嫌う先生は、少なからずいらっしゃいますが)
では、漢方薬は、癌に対してどのような効果があるのでしょうか?
① 炎症を鎮めます
癌は、慢性炎症が長い間続いた場所に作られます。
進行する間も、炎症は治まりません。
漢方薬は、過剰な炎症を鎮めることで、病気の勢いを殺していきます。
② 免疫力を高めます
一方で、癌化した細胞を殺すのも免疫細胞の働きです。
漢方薬は、免疫細胞を活性化して、癌細胞を排除しやすくします。
③ 副交感神経を活性化します
“身体は寝ている間に修復する”と言われますが、休みを促す自律神経である
副交感神経が、身体を修復する体制を整えてくれます。
漢方薬は、交感神経の緊張を緩め、副交感神経を活性化することで、
身体を修復する環境づくりを行います。
一般的に、現代の生活は、交感神経が活性化されやすい環境と言えます。
職場で頭を使うことが多い上に、身体を動かすことが少ないため、交感神経の緊張
が解けるタイミングが少ないのです。
更に大きな病気にかかった時、失われた機能を補完するために、身体は更に
緊張状態を高めていきます。身体を休めなければいけないのに、焦燥感に駆られて
止めることができず、動き回ってしまう方は少なくありません。
そのような状態を緩和する方法として、漢方薬は大いに利用できます。
抗癌剤や放射線治療は、直接癌細胞を攻撃しますので、即効性がありますが、
正常な細胞にもダメージを与えてしまうことがあります。
漢方薬は、あくまで自分の細胞が癌と闘う力を高めたり、闘う環境を整えたり
しますので、正常な細胞に対しては無害です。
西洋医学の治療効果を高め、副作用は軽減します。
抗癌剤や放射線治療は、ある程度行うと、あとは様子をみることになったり、
途中から薬が効かなくなったりしますが、漢方薬は使い続けることができます。
◎ 漢方治療を行う上で、気をつけてほしいこと
・ 安静にしてください
繰り返しになりますが、漢方薬は、自分の力で癌を抑え込むための環境づくりを行います。
ですので、身体を修復するための体力を温存しなければいけません。
漢方薬を服用すると元気になるので、どうしても動きたくなってしまいます。
重い病気に抵抗するために、身体が緊張している(ナチュラルハイといえるでしょうか)ため、
余計に動いてしまいます。それをグッと堪えてください。
・ きつい時は、寝てください
身体の緊張が解けて、副交感神経が活性化してくると、身体が重だるく感じます。
今の身体の状態を、ようやく認識できるようになったといえます。
副交感神経が活発になると、身体の治癒が進みますので、無理せず、しっかりと
身体を休めてください。
・ 油断大敵
治療が上手くいくと、つい気持ちが楽になって、不摂生をしやすくなります。
けれど、ここで無理して体力を消耗してしまうと、免疫力が下がり、すぐに病気が
進行してしまいます。
・ 食べてほしくない食べ物
癌細胞を活性化してしまうもち米、免疫力を低下させる砂糖、ミネラルの排出を促す酢、
保存料等の化学物質は、食べるのをできるだけ控えて頂きたいです。
・ 正しい薬を選んでください
勿論、漢方薬すべてが癌に効く、という訳ではありません。
人参などの身体を温める系の生薬は、逆に悪化させてしまうので禁忌です。
きちんと実績のある先生に相談されてください。
漢方薬はあくまで病院での癌治療の補助ですが、それでも併用することで、
より高い治療効果が期待できる、個人的にはオススメしたい方法です。