(症状)
8年前に天疱瘡を発症された方です。
7年前に入院してステロイド治療を行った後4年間は月1回の通院のみで、
水疱もちらほら出る程度と通常の生活を送られていました。
2年前から少しずつ水疱が増え、昨年抗体価が発症時より高くなったため
ステロイドを増量。一旦落ち着かれましたが、その後再発。
ご相談時は、ステロイドを1日25mg服用していらっしゃいました。

(所見)
天疱瘡をはじめ、自己免疫疾患は、免疫機能の暴走を制御することが重要です。
東洋医学では、体を気、血、水に分けて考えますが、免疫系は水に属します。
水の熱を強力に冷やすお薬を、大量に服用するところから治療は始まります。

(経過)
服用開始1ヶ月後、病気の勢いが強すぎて入院することに。
ステロイドの増量(45mg)と大量グロブリン療法、血漿交換を行うことになられました。

病気の勢いをすぐに止めることが出来なかったので、入院は避けられなかった
のですが、入院当初は、血漿交換を週に2回の3~4クール行う予定でしたが、
経過が良かったため週2回の1クールで終了することになられました。
その後、副作用もなく、全ての治療をスムーズに終えられました。

2週間もするとステロイドの減量が進み、1日30mgとなり、抗体価が正常値に
近づきつつあるということで退院が決まられました。

服用3ヶ月後にはステロイドが20mgに減少。
一度症状が悪化されたものの(※注)、漢方を継続していただき
服用8ヶ月後には症状がだいぶ改善され、ステロイドが18mgになりました。

※注)この時期に良かれと思ってキムチを沢山食べていらっしゃったことが
後からわかりました。
キムチに含まれる唐辛子は粘膜への刺激が強いので、皮膚疾患の方には
お勧めしない食べ物です。

服用9ヶ月後にはステロイド15mgへ。

服用1年半後にはステロイド5mgで抗体値が全て正常になられました。

西洋薬での治療に漢方を併用することで、より速やかに、かつ安全に
症状を改善させることが出来た一例でした。
病気へのアプローチ法が違うため、相乗効果が期待できることがわかります。