全身からの血液が心臓に流れ込む入口辺りにペースメーカーと呼ばれる場所があるのですが、そこから一定のリズムで、心臓が収縮するための指令が送られます。指令は電気信号で行われ、電気の流れを測定したものが、心電図です。ところが血管が老化すると、肺からの血液が心臓に流れ込む部分でも、心臓が収縮するための指令を作り出すようになってしまうことがあります。2ヶ所から収縮する指令が出されるのですから、心臓の動きがとても早くなります。治療法として、肺からの血管の指令を出している部分を焼く処置(アブレーション)を行います。このタイプの不整脈を心房細動と呼ぶのですが、治療をした後にも別の場所に起こったりして、再発することは少なくありません。

ご来院された方は、アブレーション治療後に、再発された方です。年齢は70歳を超えていて、何度も治療するのは体力的にも避けたいということで、漢方薬で様子をみたいとのことでした。不整脈の治療では自律神経や甲状腺の状態も考慮するのですが、この方はアブレーション後ということもあり、心臓の体力を回復させるお薬も服用していただきました。

服用半年後、焦って行動しようとすると、不整脈を起こしそうな感覚になることはあるそうですが、普段は不整脈を感じることはなくなったそうです。1年後、不整脈を感じることはほとんどなくなったそうです。