9ヶ月前に病気がわかり、定期的に内科を受診してはいらっしゃるのですが、治す手立てがなく、臨月の妊婦さん以上に大きなお腹で受診されました。

肝臓は解毒という大切な役割を担っていて、健康であれば60%摘出できる程の余力がある臓器です。西洋薬は炎症を抑えることは出来ますが、漢方は炎症を抑えるだけでなく、低下した臓器の力を高めることも可能です。漢方にはエネルギー補給系の生薬、”補剤”と言われるものがあるからです。細胞の力を活性化し、体の修復力を高めるので、体が疲弊した時は漢方は本当にお勧めです。

肝臓の炎症を取るお薬と、水を動かす効果が強いお薬をお渡ししたところ、のみ始めて2週間後には、“ややメタボかな?”と思うくらいに小さくなっていらっしゃいました。Gパンが入るようになったそうです。”(ズボンがはけないので)つりひもまで買うたとよ” と、言われていました。”先生には、もう治らんと言われとった”とも。

がんによる腹水であれば、がん細胞が水を引き込んでしまうので、がんを取り除かない限り、腹水を治すことはできません。ウイルス性の肝炎が原因の腹水であれば、ウイルスの殺菌も必要ですので、もう少し時間がかかるかも知れません。

今回は、腹水は時間をかけずに改善できそうですが、肝臓の炎症を抑えて傷んでしまった肝臓をもう少しいい状態に回復させるには、ある程度の時間が必要です。
それまでは続けて頂きたいと思っています。